【1月26日 AFP】(一部更新)エジプトのホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領の退陣につながった抗議デモから丸2年を迎えた25日、現イスラム主義政権に反対する人々による大規模な抗議デモが各地で行われ、治安部隊との衝突により全土で少なくとも7人が死亡、400人以上が負傷した。

 同国保健省によると、北東部のスエズ(Suez)で6人、イスマイリア(Ismailiya)で1人が死亡したほか、12県で456人の負傷者が出ている。

 2011年の革命で象徴的な場所となったカイロ(Cairo)のタハリール広場(Tahrir Square)では25日朝、数千人が集まり、ムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領とその後ろ盾であるムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)に対して怒りの声を上げた。同広場では前日にも、広場を遮断するために置かれたコンクリートの壁を崩そうとした抗議デモ参加者らと警察の間で衝突が起きている。

 カイロ市内にある国営テレビ局の建物周辺では数万人が道路を埋め尽くしたほか、大統領府や政府の主要機関の建物にも人々が集まった。

 このほかにも、各地で投石、建物への放火、タイヤに火をつけるなどの抗議行動が相次ぎ、カイロやエジプト第2の都市アレクサンドリア(Alexandria)では、警察が抗議者に向けて催涙ガスを使用した。

 同国では2011年の革命の大儀を体現していないとして現政権への批判が高まっているほか、政権交代後に直面している深刻な経済危機のため、人々の不満が高まっている。(c)AFP/Haitham El-Tabei