【1月24日 AFP】インドで昨年12月に起きた女子大学生に対する集団強姦殺人事件を受け、ヒンズー教至上主義を掲げるシブセナ(Shiv Sena)党は23日、ムンバイ(Mumbai)で開いた党大会で女性たちに護身用のナイフを配布した。

 シブセナ党は脅迫や騒乱を重ねてきたことで名高い政党だが、この日は昨年11月に死去したバール・タッカレー(Bal Thackeray)総裁の生誕日に当たることから、これに合わせて刃渡り7センチのナイフが党大会に出席した女性たちに配られた。

 ナイフの配布にあたって、シブセナ党ムンバイ支部長のアジャイ・チョーダリー(Ajay Chowdhary)氏は「野菜を切るように、あなた方に触れる者があれば、その者の手を切り落としてやりなさい」と女性たちに語りかけ、財布の中にナイフを入れて常に携帯するよう諭した。

 シブセナ党は、党が拠点を置くインド西部マハラシュトラ(Maharashtra)州で計2万1000本のナイフを女性たちに配布する計画だという。ムンバイはマハラシュトラ州の州都だ。
 
 首都ニューデリー(New Delhi)で前月に起きたバス車内で女子大学生(23)が男たちから集団で性的暴行を受けた事件で、インド全土に怒りの輪が広がるとともに、女性の身の安全が守られない社会に対する抗議行動も呼び起こした。この女子大学生はシンガポールの病院に搬送されたが死亡した。(c)AFP