【12月26日 AFP】国連(UN)総会は24日、予算分担率を定めた決議案を採択した。景気低迷に苦しむ欧州や日本などの先進国をよそに、中国、ブラジル、インド、その他の新興国が分担率の上昇を受け入れた。

 国連の2012~13年度予算は54億ドル(約4600億円)。この分担率の変化について外交官らは、世界の富の変化を垣間見るものと述べている。

 驚くべきは景気の低迷するギリシャの分担率が変更されず、国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指しているインドよりも高い分担率を負担することになったことだ。

■新興国の分担率上昇、先進国は減少

 国連の分担率は、世界全体における各国の国民総所得(GNI)の比率を基に算出される。

 中国は前回から61%増加し、分担率は3.2%から5.1%になってカナダとイタリアを超え、分担率で第6位になった。

 ブラジルは82%増を受け入れ、分担率は1.6%から2.9%に増えた。インドは24%増で負担率は0.5%から0.66%になった。ロシアの負担も52%増加した。

 米国は世界のGNIの24.2%を占めるものの、分担率22%を維持した。依然として分担率では首位だ。2位の日本は、分担率が12.5%から10.8%に減少した。ドイツも8.0%から7.1%に減少。フランスは6.1%から5.6%に、英国は6.6%から5.18%にそれぞれ減少した。

 分担率の変化について、ある欧米外交官は「欧州経済危機による影響が出始めた。今後さらに変わることになるだろう」と語った。

 分担率には複雑な減額制度があり、中国などの新興国は世界経済に占める割合よりも少ない割合を分担している。一方で、欧州と日本は依然としてその割合が高い。

 国連の通常予算には年75億ドル(約6400億円)以上の国連平和維持活動(PKO)の予算は含まれていない。(c)AFP