【12月24日 AFP】エジプトの野党勢力は23日、与党のイスラム勢力が支持する新憲法の是非を問う投票の結果に異議を申し立てたと明らかにするとともに、今後も抗議活動を継続する方針を示した。

 反大統領派の連合体「国民救済戦線(National Salvation Front)」は、15日と22日の2回に分けて行われた国民投票の投票結果が不正に操作されたと主張している。国民救済戦線のAmr Hamzawy氏はカイロ(Cairo)で開かれた記者会見で、公式な開票結果を発表する前に選挙違反について調査するよう選挙管理委員会に求めていると述べた。

 ドイツ政府はすぐに透明性ある調査を求める動きに支持を表明した。ギド・ウェスターウェレ(Guido Westerwelle)独外相は「新憲法が受け入れられるのは、承認のプロセスに非難の余地がない場合だけだ」と述べた。しかしヴェスターウェレ外相は、「街頭(での抗議行動)の力ではなく、むしろ妥協と寛容の精神がエジプトの進むべき道を決定すべきだ」とも述べた。

 エジプトを自国の中東政策の柱と位置づけ、エジプトに年間13億ドル(約1100億円)の軍事援助を行っている米政府は、意図的にこの危機について公に言及することを避けてきた。

 しかし、米下院外交委員会のイリアナ・ロスレティネン(Ileana Ros-Lehtinen)委員長(共和党)は、今回の国民投票を「イスラム独裁の手」による「エジプトの人々の敗北」と形容し、「われわれはエジプトの民主的改革、信教の自由の促進、国内の少数派の保護を進めるためのてことして援助を活用すべきだ」と述べた。

 エジプトと約30年前に断交したイランの外務省報道官は、新憲法はすべてのエジプト人の目標に向けて進むものだと述べた。(c)AFP/Ines Bel Aiba