【12月12日 AFP】8日に入院した南アフリカのネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領(94)は、肺の感染症にかかっていることが分かった。同国政府が11日発表した。

 ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領の事務所が出した声明によると、検査の結果、以前患った肺の感染症が再発していたことが分かったが、適切な治療を受け、その効果が出始めているという。

 しかし医療専門家の間では、高齢であることを考えると少しでも感染症の疑いがあれば危険な場合もあると指摘されている。

 英ロンドン(London)を拠点に活動する呼吸器感染症の専門家スティーブン・スピロ(Stephen Spiro)氏は、肺の感染症は若者もよくかかる病気だが、体力が衰え、体を動かすことも少ない高齢者がかかると胸の分泌物を体外に出すのが難しくなり、重症化する傾向があると指摘する。

 マンデラ氏は2011年1月に急性の呼吸器感染症で2晩入院したことがある。容体が安定した状態で退院し、今は自宅で厳重な医学的監視を受けながら暮らしている。

 湿気が多い監房で27年の刑期をつとめていた1988年には、激しいせきと衰弱で病院に運ばれ、初期の結核と診断された。この時は胸から2リットルの体液を抜き、病院で6週間療養した後にケープタウン(Cape Town)の刑務所に近い私立の病院に移送された。マンデラ氏はこの私立病院初の黒人患者となった。(c)AFP/Susan Njanji