【12月11日 AFP】新憲法草案の是非を問う国民投票を15日に控えたエジプトで、ムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領は10日までに新たな大統領令を出し、国軍に警察権を付与した。

 AFPが入手した10日施行の大統領令のコピーによると、国軍は国民投票の結果が公表されるまでの間、警察と全面的に協力して治安維持と重要な国家施設を防衛するよう命じられ、民間人を逮捕する権限も付与された。

 2011年2月のホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前政権崩壊から今年6月にモルシ氏が大統領に選出されるまでエジプトを暫定統治した国軍は、政治危機には中立的な立場を維持するよう努めてきた。

 国民投票実施に抗議するデモでこれまでに7人が死亡し、負傷者は数百人に上っている。大統領宮殿の周辺には6日から戦車や国軍部隊が配置された。宮殿周辺には毎晩、何千人ものデモ参加者が集結しているが、参加者と国軍の衝突はまだ起きていない。(c)AFP/Ines Bel Aiba