【12月9日 AFP】エジプトのムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領は8日、先月発表した自らの権限を強化する大統領令を撤回した。

 一方、大統領は、今月15日に実施される新憲法草案の是非を問う国民投票は予定どおり実施する方針だ。これは、一度決定した国民投票の実施を延期する法的権限が、大統領に認められていないため。イスラム穏健派の政治家、セリム・アワ(Selim al-Awa)氏が、大統領と野党などの指導部が行った会談の後、明らかにした。

 アワ氏によれば、国民投票で憲法草案が否決されれば、今回のように議会が組織した起草委員会ではなく、国民が選出した委員により、新たな憲法草案を作成することになる。

 イスラム勢力の支持を受ける大統領が発表した大統領令には、野党側が独裁的な権力掌握だと強く反発するなど、これをきっかけにエジプト国内で抗議行動が拡大。5日には7人が死亡、数百人の負傷者が出る事態に発展していた。(c)AFP/Marc Burleigh