【11月28日 AFP】スーザン・ライス(Susan Rice)米国連大使は27日、9月の在リビア米領事館襲撃事件をめぐる発言への反発を収拾するため、共和党議員らと会談し、発言の経緯について説明した。ただ共和党議員の理解を得ることはできなかったことから、次期国務長官の就任については議会で承認されない可能性もでている。ライス氏は次期国務長官の最有力候補として挙げられている。

 国務長官に就任するためには上院議員60人の承認が必要だが、この問題をめぐって共和党の一部有力議員らがライス氏の不支持を表明していた。

 一時間の会談後、共和党議員らは政権の説明に、これまで以上に憂慮していると語り、一歩も譲らない姿勢を示した。

 ライス氏の追及を主導してきた共和党のジョン・マケイン(John McCain)上院議員は、「非常に率直な議論ができた」と述べた上で「われわれが得られた回答と、そして得られなかった回答について、大いに憂慮している」と語った。その後FOXテレビに出演したマケイン氏は、ライス氏の国務長官指名を支持することは「非常に厳しい」と語った。

■事件後の発言に共和党が反発

 ライス大使は領事館襲撃事件の5日後にテレビ出演した際、米中央情報局(CIA)に提供された情報に基づき、事件は反イスラム映画に対する抗議行動として「自然発生的」に起きたものとみられると表明。これに対し、共和党は、国民に誤った情報を与えて欺くつもりだと非難していた。

 ライス氏は、27日の会談後に発表した声明の中で、「(情報は)重要な点で不正確だった。(事件当時)ベンガジ(Benghazi)では抗議行動もデモも起きてはいなかった」と述べて、初めて誤りを認めた。

 現国務長官のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏は来年初頭に辞任する予定で、後任には、ライス氏が最有力視されている。(c)AFP/Ivan Couronne