【11月27日 AFP】エジプトの裁判所は、ムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領が22日に出した大統領権限を強化する憲法令の合法性について12月4日に審理することを決めた。当局者が26日、明らかにした。

 エジプトではモルシ大統領が出した憲法令に反発するデモが全土で起き、死者も出ている。25日にはナイルデルタ(Nile Delta)のダマンフール(Damanhour)で、憲法令への抗議デモの最中、大統領の出身母体であるイスラム原理主義組織ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)の事務所前で衝突があり、同胞団メンバー1人が死亡した。

 モルシ大統領は25日に大統領権限の拡大は新憲法制定と人民議会選までの一時的な措置だと強調し、狙いは権力の集中ではなく、民主的に選ばれた議会に権力を委譲することだと述べたのに続き、26日には事態鎮静化のため司法機関を監督する最高司法評議会幹部と会談した。

 エジプト半国営の中東通信(MENA)が報じたところによると、同国の最高行政機関である国家評議会の幹部は、憲法令をめぐって12件を超える訴訟が起こされたと明らかにした。(c)AFP/Mona Salem