【11月27日 AFP】イスラエルのエフド・バラク(Ehud Barak)国防相(70)は26日、来年1月22日の総選挙には出馬せず、選挙後の新政権発足をもって政界を引退すると発表した。

 数十年にわたって首相職を含む政府の要職を歴任し、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相とも近い関係にあるバラク国防相の引退表明は驚きをもって受け止められた。

 26日にテルアビブ(Tel Aviv)で記者会見したバラク国防相は、家族と一緒に過ごす時間を増やしたいと述べた。また、政治は国家に奉仕する手段の1つにすぎないと述べたが、ネタニヤフ首相から何らかの役職に指名された場合に政府への復帰を考慮するかどうかについては明言しなかった。

 バラク氏は2011年1月に、それまで属していた労働党を離党してアツマウート(独立)を結党し、ネタニヤフ首相の右派連立政権に参加した。しかしこのところアツマウートの人気は低迷し、次の選挙でバラク氏が国防相にとどまれるだけの議席を獲得できないとみられていた。

 ネタニヤフ首相が率いる右派政党リクード(Likud)はかねてから国防相を出すことを望んでいた。リクードからの圧力もあってネタニヤフ首相は、バラク氏に次期政権で国防相ポストを保証することを拒んだと報じられていた。(c)AFP/Jean-Luc Renaudie