【11月20日 AFP】国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は20日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で続いている衝突について、激化すれば中東全域を脅かしかねないと警告し、すべての当事者に即時停戦を要請した。

 ガザ地区からロケット弾を発射するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)などの戦闘員に対し、イスラエルが軍事作戦を開始してから7日目が経過し、これまでにパレスチナ人112人、イスラエル人3人が死亡している。

 停戦を仲介しようとする隣国エジプトの首都カイロ(Cairo)で会見した潘国連事務総長は「すべての当事者は直ちに停戦しなければならない。これ以上、状況が激化すれば中東全域を危険にさらすことになるだろう」と述べた。
 
 また会見に同席したアラブ連盟(Arab League)のナビル・アラビ(Nabil al-Arabi)事務局長との事前の会談については「非常に有意義だった」とし、「私が今、この地域を訪れているのはガザの警戒すべき状況のためだ。衝突を停止させるため、個人的に働きかけるために来た」と語った。

 潘事務総長は同日中にイスラエルとパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)を訪問し、イスラエルではベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と、また西岸ではマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長と会見する。

 一方でイスラエルの高官によると、同国の閣僚らは前夜、停戦を念頭にガザ地区への侵攻開始を見合わせることを決定したという。ネタニヤフ政権の主要9閣僚による深夜会合の後、この高官はAFPに対し「外交努力に成功の機会を与えるために、当面は地上侵攻を一時的に見合わせるとの決定が下された」ことを明らかにした。(c)AFP/Christophe de Roquefeuil