【11月19日 AFP】現役の米国大統領として19日に初めてミャンマーを訪問したバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、同日のヤンゴン大学(Yangon University)での演説で、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で続いている仏教徒とイスラム教徒の衝突ついて「罪のない人びとへの暴力に弁解の余地はない」と述べ、衝突の停止を強く求めた。

 ラカイン州では6月以降、イスラム教徒と仏教徒のラカイン人との間で大規模な衝突が数回にわたり発生し180人が死亡、11万人以上が避難を余儀なくされている。避難生活を送っている住民の多くは長年差別されてきた、国籍のないイスラム教徒ロヒンギャの人々だ。

 オバマ大統領は「あまりにも長い間、ラカイン人を含むこの州の人々は強烈な貧困と迫害に直面してきた。しかし罪のない人びとへの暴力に弁解の余地はない。そしてロヒンギャの人々も自らの内に、あなた方や私と同じ尊厳を持っている」と語った。

 そして「国民和解には時間がかかるだろう。しかし、私たちに共通する人間性のために、そしてこの国の未来のために扇動を止め、暴力を停止することが必要だ」とも述べた。

 民主改革を進めるミャンマー政権は国際社会の監視の下、ロヒンギャの人々に国籍を与えるよう圧力をかけられている。また同州での衝突が民主化への移行を脅かしかねないと危惧する声もある。(c)AFP