【11月4日 AFP】英外務省が大蛇オオアナコンダの剥製「アルバート」の修復に1万ポンド(約128万円)を支出したことが判明し、批判の矛先を向けられている。

 剥製は長さ6メートル。同省内で少なくとも120年間保管され、19世紀に現在の南米ガイアナを植民地支配していた当局者が受け取った贈呈品だったとされる。

 ウィリアム・ヘイグ(William Hague)英外相は先月開かれた与党・保守党の会合で、同省図書館の天井近くに過去1世紀近く展示されていたアルバートが修復されていたことを明らかにし、「(アルバートは)われわれの外交政策の将来を非常に楽観している様子だ」と冗談を飛ばした。

 ただ今月1日、政治ブログ「ガイ・フォークス(Guido Fawkes)」による情報公開請求で、政府が大幅な支出削減に乗り出しているこの時期に、同省が剥製修復作業に負担した費用が1万ポンドに上ることが明らかになった。
 
 同省報道官は、アルバートが同省に贈られた資産だとの認識を示した上で、「外務省には資産保全の義務があり、アルバートの(修復)作業は必要不可欠な保全とみなされる」とコメント。「アルバートの最初の修復は1960年代か70年代に行われたとされているが、当時の費用については何も記録がない。過去40~50年間、大した保全作業が行われていないのは間違いない」と語った。

 さらに報道官は、アルバートの修復費が1万ポンドであることを認めるとともに、修復作業がロンドン自然史博物館(Natural History Museum)の保全チームにより、5月21日から6月26日までの5週間実施されたと付け加えた。専門家による放射線検査も行われたという。

 保守党と自由民主党の連立政権は2010年5月の樹立以来、様々な支出削減策や増税を導入している。(c)AFP