【10月29日 AFP】野田佳彦(Yoshihiko Noda)首相は29日召集された臨時国会で所信表明演説を行い、政治のこう着状態を打破して特例公債法案を成立させない限り、国民生活に重大な支障が出ると警告して野党に協力を迫った。

 野田首相は演説の中で「いかなる政権であっても、特例公債なしで今の財政を運営することはできない。既に地方予算などで執行抑制が余儀なくされており、このままでは身近な行政サービスなどが滞って国民生活にも重大な支障が生じ、経済再生の足を引っ張りかねない」と指摘。

「政局第一の不毛な党派対立の政治に逆戻りしてしまうのか。それとも、政策本位で論戦を戦わせ、やらなければならないことにきちんと結論を出すことができるのか」「一刻も早い法案の成立を図るとともに、予算の裏付けとなる法案の在り方に関して与野党が胸襟を開いて議論を進め、解決策を見出さなければならない。毎年の特例公債法案を政治的な駆け引きの材料にしてしまう悪弊をここで断ち切ろう」と訴え、超党派の合意を呼びかけた。(c)AFP