【10月30日 AFP】オランダの子供たちはもうすぐ、3人あるいは4人の親を持つことができるようになるかもしれない──。オランダ政府は現在、同性カップルが育てる国内2万5000人の子供たちに関する親権を「第3の親」にも拡大すべきかどうか判断するための調査を行っている。

 オランダ法務省の報道官がAFPに語ったところによると、同省は「1家族が3人かそれ以上の親を持つことを認める可能性について調査を行う予定」だという。この調査は、同国の左派政党グリーン・レフト(GL)に加え、前月の総選挙で勝利した自由民主党(VVD)と労働党(PVDA)が要請したもので、レズビアン(女性同性愛者)の親権に関する法改正を念頭に置いている。

 同性カップルが子どもをもうけることは生物学的に不可能なため、第3の親が必然的に関与することになる。だが現状では、義理の親や精子提供者が子育てに関わりたいと希望しても、法的な親として認知されない。

 グリーン・レフト党のリースベト・ファン・トンヘレン(Liesbeth van Tongeren)下院議員によると、レズビアンのカップルの場合、生物学上の父親が子どもの人生に関わっている例は多いという。同議員は「生物学的なつながりよりも、家族が今どのように暮らしているかが大事」とも述べている。

 オランダでは2001年に世界で初めて同性婚が合法化された。政府統計によると、2010年末までに1万4813組の同性カップルが婚姻している。同性愛者の権利団体「COC」によると、人口1670万人の同国に暮らす同性愛者の数は約100万人に上る。(c)AFP