【10月12日 AFP】国連人口基金(UN Population FundUNFPA)は11日、女性が18歳未満で結婚するいわゆる「児童婚」が今後20年で著しく増加すると予測した報告書を発表した。現在の傾向が続けば、年間の児童婚件数は2020年に1420万件、30年には1510万件に増加するという。

 児童婚の慣習を減らす取り組みは以前から行われているが、発展途上国ではこの10年間にも頻繁に繰り返されている。

 報告書は、今年初めて制定された「国際ガールズデー(International Day of the Girl Child)」に合わせて発表された。UNFPAのババトゥンデ・オショティメイン(Babatunde Osotimehin)事務局長は、「児童婚は深刻な人権侵害だ。少女たちから教育や健康、将来を奪う」と批判している。

 報告書によれば2010年には、中国を除く発展途上国の20~24歳の女性の3人に1人、計6700万人が18歳未満で結婚した。

 こうした「児童婚」のうち5割がアジア、2割がサハラ以南のアフリカで行われており、中南米やカリブ地域、東欧でも慣習として続いている。

 西アフリカのニジェールでは20~24歳の女性の75%が18歳未満で結婚していた。南アジアで最も児童婚の習慣が根強かったのはバングラデシュ(66%)だった。

 UNFPAの推計によると、何も防止策が講じられなければ現在から2030年までに南アジアで1億3000万人、サハラ以南のアフリカで7000万人、中南米・カリブ地域で4550万人の少女たちが18歳未満で結婚することになるという。

 報告書は各国政府に、結婚が可能となる年齢を男女とも18歳以上に定めるよう法改正を求めている。2010年時点で158か国が親の同意なしに女性が法的に結婚できる最少年齢を18歳と定めている一方で、18歳未満でも親の了承があれば結婚できる国は146か国あり、うち52か国では15歳未満でも結婚が可能となっている。(c)AFP/Andre Viollaz