【10月10日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は9日、約3年前にユーロ圏諸国の債務危機が始まった後としては初めてギリシャを訪問し、アントニオ・サマラス(Antonis Samaras)首相と会談した。

 首都アテネ(Athens)で行われた会談でメルケル首相は、債務危機に陥ったギリシャが厳しい財政緊縮策をとっていることについて「私はこの厳しい道にはその価値があると深く信じており、ドイツはよきパートナーであることを望んでいる」、「多くのことが成し遂げられたが、まだなすべきことも多い。ドイツとギリシャは密接に協力していく」と述べた。

 これに対し6月の議会再選挙後に首相に就任したサマラス氏は、「ギリシャは約束を守り、この危機を克服する決意だ。ギリシャ国民は苦しんでいるが、競争力を取り戻す戦いに勝ち抜く覚悟を決めている」と応じた。

 メルケル首相は、財政支援や債務削減との引き替えに緊縮策を押し付けたとしてギリシャ国民の間で嫌われている。アテネでは約3万人が「お前は歓迎されていない。帝国主義者は帰れ」「第4帝国にノー」などと書かれた横断幕を掲げてデモを行った。このデモで24人が逮捕された。

 マスクをかぶった一部の若者が機動隊に瓶などを投げつけたほか、両首相の会談中にデモ隊が会談場所から数ブロック離れたところでバリケードを突破しようとしたため、警察は催涙弾を発射して排除した。ギリシャ北部の都市テッサロニキ(Thessaloniki)でもドイツ領事館前で約700人が抗議行動を行った。(c)AFP/John Hadoulis