【10月9日 AFP】先週行われた米大統領選の第1回テレビ討論で共和党のミット・ロムニー(Mitt Romney)候補に押され気味だったバラク・オバマ(Barack Obama)大統領が、7日に米ロサンゼルス(Los Angeles)で多くの著名ミュージシャンを招いて開いた資金調達コンサートで自虐的なジョークを飛ばした。

 オバマ大統領はコンサートに登場したアーティストらを「完璧な演奏を毎夜行うことができる」と称賛した後、「私には無理だ」と続けた。

 コロラド(Colorado)州デンバー(Denver)で3日夜に行われた討論でオバマ氏が精彩を欠いていたことを念頭に置いたもので、会場からは同情的な拍手と笑いが起こった。第1回テレビ討論ではロムニー氏が勝ったという見方が一般的だ。

 ロック歌手のジョン・ボン・ジョヴィ(Jon Bon Jovi)や女優で歌手のジェニファー・ハドソン(Jennifer Hudson)などによるコンサートも兼ねたこのパーティーのチケットの価格は最も安いものでも250ドル(約2万円)。会場となったロサンゼルス中心街のノキア・シアター(Nokia Theater)は約6000人の民主党支持者でいっぱいになった。

 オバマ大統領は、米公共放送PBSの予算を削減するというロムニー氏の発言もジョークの種にした。ロムニー氏は同放送局の児童番組「セサミストリート(Sesame Street)」のキャラクター名を挙げ、「ビッグバード(Big Bird)は好きだが、PBSへの補助金は停止するつもりだ」と述べていた。

「ついにビッグバードの弾圧が始まった」と皮肉ったオバマ大統領は、同番組の別キャラクターの名前を持ち出し、「エルモ(Elmo)は国境を目指して逃走を始めた」と冗談を飛ばした。(c)AFP