【9月21日 AFP】反イスラム的な内容の米映画『イノセンス・オブ・ムスリム(Innocence of Muslims)』に対する激しい反発がイスラム教国を中心に起きている状況を受け、事態の沈静化を図る米政府は20日、テレビやソーシャルメディアを介したメッセージ広告をパキスタンで展開し始めた。他のイスラム教国でも実施するかどうかは未定という。

 30秒のテレビコマーシャルは在パキスタン米国大使館が7万ドル(約550万円)をかけて制作し、パキスタン国内のテレビ網7系列で放映する。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官が登場し、『イノセンス・オブ・ムスリム』の内容は米政府の見解と異なることを伝える内容という。

 国務省のビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)報道官は、「約900万人のパキスタン国民のできるだけ多く」にメッセージを伝えるためには、テレビコマーシャルが最適な手法だと考えたと説明した。

 在パキスタン米国大使館はまた、一般の米国人がこの映画を非難している映像も、動画サイトのユーチューブ(YouTube)用に制作した。ヌーランド報道官によると、「米国人はイスラム教に否定的だ」と考える人が多いことを懸念した各国米大使館から「米国人、特に宗教指導者らが立ち上がり、(反イスラム的な考えについて)『われわれは違う』と訴える動画をもっと紹介して欲しい」との要請があったという。(c)AFP