【9月18日 AFP】次期米大統領の座を狙う共和党のミット・ロムニー(Mitt Romney)候補が、米国民の半数近くが「政府に依存」して「自分たちを被害者だと思い込み」税金を払っていない、という発言を富裕層との非公開の会合でしていたことが明らかになり、批判を浴びる事態となっている。発言は、隠しカメラで撮影された動画によって発覚した。

 問題の動画は、米左派系雑誌マザージョーンズ(Mother Jones)が一部を公開した。ロムニー氏は、非公開で行われた個人資金提供者らとの会合で、米国人の47%は「たとえ何があろうと」民主党大統領候補のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領に投票するだろうと語った。

「(オバマ氏を)支持する47%の人びとがいる。彼らは政府に依存し、自分たちを被害者だと信じ、政府には自分たちのケアをする義務があると信じ、医療保険や食料、住宅、その他なんでも貰う資格があると信じている」

「この人たちは所得税をまったく払っていない。だから、われわれの減税のメッセージも届かない。私が彼らに対し、あなたたちは自己責任をとるべきであり、自分の生活は自分でケアしなければならないと説得できることはないだろう」(ロムニー氏)

 オバマ陣営の選挙運動責任者のジム・メッシーナ(Jim Messina)氏はこの動画に飛びついた。

「米国人の半数が、自分たちのことを施しを受ける資格のある『被害者』だと考え、自分たちの生活に『自己責任』をとろうとしていないなどと、米国の大統領候補者が非公開の会合で、裕福な資金提供者らに向けて宣言していることに衝撃を受けた。国民の半数を軽蔑して切り捨てながら、国民全員のことを考えて大統領を務めることは難しい」(ジム・メッシーナ氏)

 一方、ロムニー氏は米カリフォルニア(California)州で記者団に対し、神経質な表情で「上品な言い方ではなかった。そういうふうに言わせていただきたい」と述べ、「私は、自分の選挙運動に人びとを参加させるための政治プロセスについて話してるのだ。これは国の方向性の話だ」と強調した。(c)AFP