【9月12日 AFP】2001年の米同時多発テロ事件から11年目の11日、リビア東部のベンガジ(Benghazi)でイスラム教を侮辱するような内容の映画に抗議する武器を持ったグループが米国の領事館を襲撃して建物に放火し、米国人職員1人が死亡した。

 リビア東部を担当するワニス・シャリフ(Wanis al-Sharef)副内相は、米国人職員1人が死亡し、もう1人が手にけがをしたが、残りの職員は避難して無事だと述べた。同副内相によると武装グループは空に向けて発砲した後、建物に突入したという。

 リビア内務省の報道官は、領事館に近い農場から携行式ロケット弾も発射され、治安機関と内務省が事態の沈静化を図っていると述べた。
 
 11日はエジプト・カイロ(Cairo)でも、米国在住のコプト教徒が製作した映画がイスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)を侮辱しているとして約3000人が米大使館を襲い、米国旗を引き下ろし、幾つかのイスラム系武装グループの旗に似ている黒い旗を掲げるなどの騒ぎがあった。コプト教はキリスト教の一派でエジプトの少数派宗教。ベンガジとカイロの事件の間に関連があるのかは分かっていない。

 米国務省のビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)報道官はカイロの事件は終息したと述べるとともに、ベンガジで米国人職員1人が死亡したと報道される前に出した声明で「リビアのベンガジにあるわが国の在外公館が武装グループに攻撃されたことを確認する。今回の攻撃について最大限の言葉で非難する」と述べた。(c)AFP