【9月5日 AFP】中国を訪問中のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は5日、北京(Beijing)市内で開かれた楊潔チ(Yang Jiechi)外相との合同記者会見で、南シナ海(South China Sea)の領有権をめぐる行動規範の策定は「誰しもの関心事だ」としつつ、米国は中国の強まる影響力を封じ込めるつもりは無いと述べた。

「中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が行動規範の策定という共通の目的へ向けた外交プロセスを推し進めることは、誰しもの関心事であると私たちは信じている」(クリントン長官)

 戦略的に重要な海域全ての領有権を事実上主張している中国について、クリントン長官は、行動規範策定協議への参加を期待すると述べ、東南アジア諸国に対しても協力し合うよう呼び掛けてきた。

 5日の記者会見で長官は、米国が中国の台頭を妨げるようなことはしないとし、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領もアジア・太平洋地域における各国間の「不健全な競争」を望んでいないと述べた。

 同日には習近平(Xi Jinping)国家副主席との会談も予定されていたが、米関係者によればクリントン長官側のスケジュールの都合で急遽取りやめになったという。(c)AFP