【8月29日 AFP】「正真正銘の男か、それとも単なるネズミか」という厳しい問いをぶつけられた英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相に思わぬ助っ人が現れた。ロンドン(London)のダウニング街10番地(10 Downing Street)の首相官邸で飼われている5歳の雄ネコ「ラリー(Larry)」だ。

 狩りに消極的なことで知られるラリーは28日の朝、珍しくネズミを1匹捕らえた。

 奇しくもこの数時間前には、保守党のティム・ヨー(Tim Yeo)下院議員が英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に寄稿したコラムの中で、キャメロン首相にヒースロー(Heathrow)空港第3滑走路の建設計画の承認という政治的に議論が沸騰する決断を下せるのかと疑問視していた。

「首相は、『自分は男か、それともネズミか』と自らに問う必要がある」(ヨー議員)

 キャメロン首相はコーンウォール(Cornwall)州で休暇中だったが、首相官邸の報道官は記者らに対し、「ダウニング街にいる死んだネズミは、今朝ラリーが捕まえた1匹だけです」と述べた。

 ラリーが前年2月にバタシー(Battersea)地区の犬猫保護施設から引き取られて首相官邸のネズミ退治を任されて以来ラリーの写真を頻繁に掲載してきた英メディア各社は、ラリーの手柄を即座に報じた。

 だがラリーがネズミを捕まえたり殺したりしたのは今回が初めてではないという。首相官邸の報道官はAFPに「これまでにも何度かあった」と話している。(c)AFP