【8月27日 AFP】2008年の米大統領選挙で共和党の副大統領候補に抜擢され、一躍注目を浴びたサラ・ペイリン(Sarah Palin)前アラスカ(Alaska)州知事。メディアも大々的にとりあげた。でも、こんなサラ・ペイリンは見たことがないと思ったら、それはペイリン氏の物まねで知られたポルノ女優、リサ・アン(Lisa Ann)さん(40)かもしれない。

 フロリダ(Florida)州タンパ(Tampa)では今週、共和党の全国党大会が開かれ、いよいよミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事を正式に米大統領選候補に選出する。

 数万人の共和党員が続々とタンパに集結するなか、同市のアダルトクラブでAFPの取材に応じたリサ・アンさんは、「私は彼女(ペイリン氏)が好きだけれど、それと同じくらい彼女が私を好きということはないでしょうね」と話した。

 2011年に米テレビ局CNBCが最も人気があるポルノ女優12人の1人に選んだリサ・アンさんは、ポルノ業界は不況の影響を受けにくいが、それでも多くの人の人生が変わったという。「経済危機の最中にサラ・ペイリンを演じられたのは信じられないくらい幸運だったわ」

■共和党大会はダンサーの稼ぎ時

 共和党の党大会期間中、タンパのクラブで働くダンサーたちの収入は倍増するという。1晩で1000ドル(約7万9000円)以上はざらで、リッチな客が相手ならもっと稼ぐダンサーも出るだろうという。

 アダルトクラブの経営者エリック・テレル(Eric Terrell)さんは、自身のクラブで「プレジデンシャル・スイート」と銘打たれた最高級の部屋を披露した。料金は1時間で500ドル(約3万9000円)だという。

 テレルさんは「われわれ共和党員にとって値段はあまり問題にならない。共和党員は一般に潤沢なキャッシュフローを持っているからだ」と言う。

■政界進出の可能性も?

 2008年の大統領選で、ペイリン氏は共和党候補のジョン・マケイン(John McCain)上院議員の「サプライズ」として副大統領候補に指名された。自身を「ごく普通のホッケーママ」と評した指名後のペイリン氏のスピーチは好評だったが、以降は政策論争などで知識不足を露呈し、マケイン氏完敗の一因とされた。

 だが、草の根保守派運動「ティーパーティー(Tea Party、茶会)」を筆頭に共和党のなかにも、根強いペイリン氏支持者は残る。

 自身はどちらかといえば民主党支持派だというリサ・アンさんは、その上品で冷静な口調で政治について率直に語る。自分の分身ともいえるペイリン氏が歩んだ道をたどることもあり得ると、リサ・アンさんは語った。「可能性がないとは言えない。一部の政治家がやっているような裏取引ができるか自信はないけど」(c)AFP