【8月17日 AFP】今秋の米大統領選で共和党副大統領候補に抜擢されたポール・ライアン(Paul Ryan)下院議員(42)がここに来て、全米の熱い視線を集めている。政敵でさえも例外ではない。――ただしその理由は、容姿が魅力的だというもの。

 共和党の大統領候補が確定しているミット・ロムニー(Mitt Romney)氏から副大統領候補として指名されるまで、ライアン氏について話題になるのは米財政再建策に関する保守的な主張だけだった。だが今、米国人を熱くさせているのは、同氏の頭の中身ではない。たくましい筋肉だ。

 グーグル(Google)の検索キーワードランキングでは、「Paul Ryan shirtless(上半身裸のポール・ライアン)」が急上昇した。どうも該当するライアン氏の画像はないらしいと判明すると、ライアン氏の顔写真を他の男性の裸体に貼り付けた合成画像がネット上に投稿され始めた。

 遊説中のライアン氏の写真に「やあ、そこの彼女!」で始まる軟派風のコメントを合成した作品を集めたウェブサイト「heygirlitspaulryan.tumblr.com」も登場し、人気を集めている。アメリカンフットボールのユニホームに身を包んだライアン氏の写真に添えられたコメントは「ねえ、きみ、一緒に財政赤字にタックルしないかい?」というものだ。

 ライアン氏は筋力トレーニングと栄養管理、武術を組み合わせた究極のエクササイズ「P90X」の熱心な信奉者で、報道によれば体脂肪率は6~8%を維持しているという。その結果、米国の中年男性としては驚異的なスポーツマン体形を保っているのだ。――スリムな体形という点では、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領も負けてはいないが。

 米大統領選は泥沼化の様相を呈している。米国の行く末を真剣に案じる有権者なら、候補者の容姿などに執着している場合ではないだろう。だが、ライアン氏の青い瞳や鍛えられた腹筋は実際、社会保障制度の縮小を掲げる同氏の主張を押しのけてメディアの話題をさらいつつある。民主党寄りで知られる米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)でさえ、ロムニー氏とライアン氏を「キュートな共和党コンビ」と表現したほどだ。

 芸能情報サイトTMZは、ライアン氏について「米国史上最もホットな副大統領候補といえるかもしれない。ただ、政策はどうでもいい」と評している。(c)AFP/Sebastian Smith