【8月13日 AFP】エジプトのムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領は12日、ムハンマド・フセイン・タンタウィ(Muhammad Hussein Tantawi)国防相(軍最高評議会議長)とサミ・アナン(Sami Anan)参謀総長を解任した。また軍に立法権を含む広範な権限を与えていた改正憲法宣言も撤廃した。

 軍関係筋は半国営の中東通信(MENA)に、モルシ大統領は軍と協議した上で今回の決定を下したと述べ、軍上層部が今回の決定に反発しているとの見方を否定した。タンタウィ、アナン両氏は大統領顧問として政権内部に残る。

 エジプト史上初の文民大統領であるモルシ氏と権限強化を図る軍の不安定な関係は新たな展開を迎え、カイロ(Cairo)のタハリール広場には突然の発表を歓迎する数千人が集まった。

 後任の国防相にはアブドルファッターフ・アッシーシ(Abdel Fattah al-Sissi)大将が任命された。またモルシ大統領は判事のマフムード・メッキ(Mahmud Mekki)氏を副大統領に指名した。

 モルシ大統領は、イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の境界付近にあるエジプトの検問所で兵士16人が殺害された5日以降、情報機関や軍警察のトップを解任するなど軍や情報機関の人事を刷新する決定を下していた。(c)AFP/Ines Bel Aiba