【7月27日 AFP】英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相は26日、米大統領選の共和党候補になるミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事がロンドン五輪の準備態勢について述べた辛辣(しんらつ)なコメントに反応して、今大会は人々の記憶に残る素晴らしいものになるだろうと述べた。

 27日の開会式に出席するためにロンドン(London)を訪れているロムニー氏は25日、米NBCニュース(NBC News)の番組の中で「民間警備会社が人員を確保できなかったこと、そして入管・税関職員がストライキを予定したことは、心強い知らせではないのは明らかだ」と述べた。

 ロムニー氏はさらに、大手民間警備会社G4Sが契約通りの人数の警備員を集められなかったことには「不安が残る」と述べた。また、ロンドンでは1948年以来となる五輪開催を英国民は果たして支持しているのだろうかという疑問も口にした。

■「記憶に残る素晴らしい大会に」 英首相

 これらのコメントに対しキャメロン首相は26日、安全対策は「何よりも大事だ」と述べるとともに、英国が世界的な一大イベントを開催する能力があることが今回の五輪で証明されると確信していると語った。

 経済が低迷するなかでも国民は五輪開催を支持していると語ったキャメロン首相は、2002年に米ソルトレークシティー(Salt Lake City)で開催された冬季五輪の組織委員長を務めたロムニー氏の経歴を逆手に取って反撃した。

「われわれは世界でも最も忙しく、活気と勢いのある都市の1つで五輪を開催しようとしている。何もない辺ぴな場所での開催だったら、もちろんもっと楽だろう」

 キャメロン首相は五輪警備に個人的責任を負うと公言した。ロンドン五輪の警備には、平時としては英国史上最大規模の部隊が動員されている。英政府はG4Sの警備要員不足を補うため兵士4700人を追加動員し、軍からの動員は1万8200人に達した。

 開会式を翌日に控え興奮が高まる26日、数万人の見物人が集まったバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)では聖火トーチが到着し、ウィリアム王子(Prince William)とキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)、そしてヘンリー王子(Prince Harry)が迎えた。(c)AFP/Guy Jackson