【7月16日 AFP】北朝鮮国営テレビは15日、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記が、おしゃれな服を着た女性を伴って幼稚園を訪問した際の写真を放映した。この女性が金氏の夫人ではないかという臆測が強まっている。

 今月に入って初めて、金氏とショートヘアの女性の姿が一緒にいる姿がメディアに登場した。国営メディアはこれまでのところこの女性の身元を明かしていない。金正恩氏本人のこともほとんど明らかになっていないため、同氏が結婚しているのかどうかすら分かっていない。

 北朝鮮の国営テレビが放映した最新の写真には、この謎の女性と同一人物とみられる、黄色の水玉模様の服の上にシックな白のジャケットを着た20~30代と思われる女性の姿が写っていた。この女性は、幼稚園の子どもを抱きしめて話しかける金氏のすぐ後ろか隣に立って笑顔を見せている。

 随行した他の高官らは2人から数歩後ろに立っていた。この訪問がいつ行われたものか分かっていないが、この女性の姿が北朝鮮国外に公開されたのはこれで3回目になる。

 この女性は金氏の妹ではないかとの指摘もあるが、韓国の聯合ニュース(Yonhap News)は匿名の韓国政府高官の話として、金氏の夫人である「可能性が高い」と伝えたが、北朝鮮のファーストレディーの写真が公開されることは非常にまれだったことからこの女性が夫人である可能性は低いという指摘もあり、この女性の正体についての見方は分かれている。

 しかし韓国の民間シンクタンク世宗研究所(Sejong Institute)の南北関係専門家、張成昌(Cheong Seong-Chang)氏はこの女性が金正恩夫人であることは「確実」と述べ、「金正恩氏が既婚者であることを印象づけることで、北朝鮮は、安定した指導者のイメージを作ろうとしている」と分析した。(c)AFP