【7月11日 AFP】エジプトの最高憲法裁判所は10日、ムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領が8日に出した人民議会の召集を命じる大統領令を停止した。

 最高裁は前月、選挙法の一部の条項を無効とする判断を下した。それを受けて軍最高評議会は議会を解散し、立法権を掌握したと発表していた。

 しかしモルシ大統領は8日に議会の再招集を命じ、最高裁・軍最高評議会と大統領の間で緊張が高まっていた。大統領の弁護士は、最高裁の10日の決定は危機を悪化させる政治的な動きだとして批判した。

 人民議会は10日、モルシ大統領の命令に従う形で召集された。サード・カタトニ(Saad al-Katatni)議長は、「われわれは最高裁の決定を検討するために集まったのであり、最高裁の決定に反論するつもりはない。裁判所の決定を実施する過程を検討すること、それが今日の唯一の議題だ」と述べた。

 10日は大統領府前で議会の召集を命じたモルシ大統領を批判するデモが行われた一方、タハリール広場(Tahrir Square)にはモルシ大統領を支持する数千人が集まり、軍最高評議会や最高裁の判事、イスラム主義者に批判的だとされるテレビ司会者らに抗議するデモを行った。(c)AFP/Mona Salem