【6月25日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)は24日、シリアがトルコ軍機を撃墜したことについて、加盟国トルコの求めに応じて26日に会合を開いて協議すると発表した。

 シリア政府はトルコのF4ファントム(Phantom)が22日に領空を侵犯したため撃墜したと発表していた。NATOの報道官は、北大西洋条約第4条の規定で締約国は自国の領土保全、政治的独立または安全が脅かされていると認めたときにはいつでも協議を要求できると説明した。

 トルコのアフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)外相は国営トルコ・ラジオ・テレビ放送(TRT)のテレビインタビューで、この軍用機はシリアから13カイリ(約24キロ)の公海上空で撃墜されたというトルコ政府の結論を明らかにした。トルコ側は、撃墜された機体はレーダーシステムのテストのための訓練飛行中で武装していなかった上、シリアは撃墜前に当該機に警告を発しなかったとしている。

 トルコは23日には当該機がシリア領空を侵犯した可能性を認め、両国間の緊張を和らげる意図があるものとみられていたが、現在は厳しいスタンスを取っているようだ。

 CNNトルコ(CNN Turk)は、捜索隊が水深1300メートルの海底に機体の残骸を発見したと伝えたものの、その正確な位置や乗員2人の消息は伝えていない。トルコ政府はこの報道内容の確認はできないとしている。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相がシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領政権による反体制運動の弾圧を厳しく批判していたことから、トルコ軍機撃墜前から両国関係は悪化していた。(c)AFP