【6月17日 AFP】エジプト大統領選挙の決選投票が16日、2日間の日程で始まった。ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)が擁立したムハンマド・モルシ(Mohammed Mursi)氏とムバラク政権最後の首相を務めたアハメド・シャフィク(Ahmed Shafiq)氏の2人が争う。新大統領がどの程度の権力を持つのかは不確実で、政治的混乱が深まっている。

 エジプトの有権者は約5000万人。AFP通信の記者らによると、投票開始の16日午前8時(日本時間同日午後3時)前に、投票所の外には既に列ができ、周辺には警察や軍隊が配置された。

 Shoubra地区の投票所に足を運んだキリスト教系コプト教徒のマクラムさんは「われわれの社会に安全を保証してくれる候補者に票を投じる」と話した。補助教員のガマルさん(26)は「シャフィク氏を当選させたくないのでモルシ氏を選ぶ。モルシ氏に恐れを感じるが、シャフィク氏はもっと怖い」と語った。

 シャフィク氏の下で旧体制に戻ることを恐れる者と、政治が宗教に影響することを嫌い、ムスリム同胞団に個人の自由が抑圧されることを恐れる者。エジプトは決選投票をめぐり2つに割れている。

 エジプトの最高憲法裁判所は14日、旧政権で首相を務めたシャフィク氏の出馬を認めるとともに、人民議会を無効とする判断を下し、混乱が広まっている。(c)AFP/Sara Hussein and Hassen Jouini