【5月29日 AFP】米国と韓国の特殊部隊員が北朝鮮領内にパラシュートで降下し、地下軍事施設に関する情報収集に当たっていたいう在韓米軍高官の発言を米メディアが報じた。

 米国防産業協会(National Defense Industrial AssociationNDIA)の国際時事問題専門誌ディプロマット(The Diplomat)のウェブサイトによると、在韓米軍特殊部隊のニール・タリー(Neil Tolley)司令官(陸軍准将)は前週米フロリダ(Florida)州で開かれた会議で、北朝鮮政府は朝鮮戦争以降、数千本のトンネルを作っていると述べた。

 ディプロマット誌はタリー司令官が「トンネルのインフラストラクチャー全体はわれわれの衛星から隠されている。そのためわれわれは、特殊な偵察任務を実施するため(韓国の)兵士らと米国の兵士らを北に送った」、「50年経った今でも、われわれは北朝鮮の地下施設の能力とその全体像を把握していない」と述べたと伝えた。

 タリー司令官によると、移動を容易にし、北朝鮮側から見つかるリスクを最小限にするため、特殊部隊員らは最小限の装備で送り出されたという。同司令官は韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線の下に北朝鮮が作ったトンネルが少なくとも4本存在すると述べたが、「われわれが把握していないものが何本あるのかは分からない」と述べた。

 これまでに把握されているものの中には、一部が地下にある飛行場20か所や、数千か所の砲兵陣地があるという。

 韓国の通信社、聨合ニュース(Yonhap News)は2月、少なくとも2本の新しいトンネルが核実験場に作られ、新たな核実験の準備とみられると報じた。(c)AFP