【5月26日 AFP】23、24日に投票が行われたエジプト大統領選挙は、「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」が擁立したムハンマド・モルシ(Mohammed Mursi)氏と、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)政権で首相だったアハメド・シャフィク(Ahmed Shafiq)候補の決選投票に進む見通しがほぼ確実となっており、イスラム同胞団は25日、シャフィク元首相が勝てばエジプトが危機に陥るとして、モルシ候補への投票を呼び掛けた。

 イスラム同胞団は、開票作業は終了し、その結果モルシ候補が得票率でトップとなり、シャフィク候補が2番手につけたと宣言した。

 エジプト国民は15か月前、民衆蜂起で独裁的なムバラク大統領を打倒したものの、その後、暴力の増加と経済悪化に苦しんでいる。シャフィク氏とモルシ氏による決選投票は、国民の対立をいっそう高めるおそれがある。

 選挙管理委員会は29日に正式な開票結果を発表する予定だが、エジプト半国営の中東通信(MENA)と政府系日刊紙アルアハラム(Al-Ahram)は独自集計の結果として、モルシ氏がトップ、シャフィク氏が2位と報じている。(c)AFP/Samer al-Atrush