【5月25日 AFP】エジプトで24日に投票が締め切られたムバラク政権崩壊後初の大統領選挙は25日、票の集計が進んでいる。選挙では、国の安定かホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領を失脚させた民衆蜂起の理念かのどちらを優先させるかが争点となった。

 過去の大統領選挙では常に同じ人物が勝利する、いわゆる「出来レース」だったため、今回の選挙のように勝利の行方がわからないまま結果を待つという経験は、エジプト国民にとって新鮮なものとなった。

 5000万人超の有権者たちは、12人の候補者の中から1票を投じることができた。2011年の民衆蜂起前の選挙で見られた暴力や不正とも、ほぼ無縁だった。

 投票は前日夕刻に締め切られたが、その数時間後にはエジプト内で大きな影響力を持つイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」が、同胞団のムハンマド・モルシ(Mohammed Mursi)候補がリードしているとの声明を発表し、勝利に自信を見せた。ムスリム同胞団は、エジプト全土に広がる強固な組織網を駆使して、全国1万3000か所中236か所の投票所で(独自の)票集計を行った。

 同日、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は、エジプトで「歴史的」な大統領選挙が実施されたことに祝意を示し、米国は新たに誕生する政権と協力していく用意があると語った。

 エジプトの選挙管理委員会によると、23、24両日に行われた大統領選の投票率は50%前後で、中には有権者が数時間も列に並ぶ投票所もあったという。

 25日には、国内各投票所の集票結果が徐々に明らかになる見込みだが、公式の結果発表は27日に予定されている。(c)AFP/Sara Hussein and Jailan Zayan

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