【5月25日 AFP】イラクのバグダッド(Baghdad)で23日から2日間にわたって行われたイランの核開発をめぐる欧米など6か国とイランの協議は24日、大きな成果を得ることなく終わった。

 欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)外交安全保障上級代表は「われわれはイラン側とこの2日間、非常に真剣な、詳細にわたる協議を行った」と述べた。「双方が進展を望んでおり、一致した点もいくつかあったのは確かだが、重要な相違点が残っている」。アシュトン氏は、6か国とイランは6月18~19日にロシア・モスクワ(Moscow)で再び協議を行うと発表した。

 国連安全保障理事会の5常任理事国(米英仏露中)にドイツを加えた「P5+1」と呼ばれる6か国は、イランが濃縮度20%のウランの製造をやめることなどを含む提案をしたと報じられている。

 しかしその見返りとしてイランに大きな打撃を与えている制裁の軽減を提示しなかったため、イラン側はP5+1の提案をはねつけた。イラン政府の認識を反映して国営イラン通信(IRNA)はこの提案を「時代遅れで、包括的でなく、均衡を欠いている」と評した。

 理論的にはウランを20%に濃縮すれば兵器級ウラン製造までの時間が大幅に短縮されるため、この問題はイラン核開発問題の最大の懸念であり、大きな焦点になっている。

 イラン最高安全保障委員会のサイード・ジャリリ(Saeed Jalili)事務局長は、「ウラン濃縮は国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)の査察の下で行う平和的な活動であり、奪うことのできないイランの権利だ。このことは協議のなかで彼ら(P5+1)も確認した」と述べたが、「この問題は協調に向けた議論のなかで、1つの論点になり得る」とも述べた。(c)AFP/Simon Sturdee

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