【5月24日 AFP】イラクのバグダッド(Baghdad)で23日、イランと国連安全保障理事会の5常任理事国(米英仏露中)にドイツを加えた「P5+1」と呼ばれる6か国によるイランの核開発についての協議が始まった。

 イランの核開発計画の縮小を求める6か国側は新たなインセンティブを提案したが、イランが求めていた制裁解除までは含まれず、イラン側も提案を行った。イラン側の交渉関係者によると協議は延長され、24日も予定されていなかった2日目の交渉が行われることになった。

 今回の協議は、4月中旬にトルコのイスタンブール(Istanbul)で1年3か月ぶりに行われた予備交渉に続いて行われた。

 P5+1側の代表団を率いる欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)外交安全保障上級代表の報道官は、6か国側の提案はイランにとって「利益になるものだ」と述べ、「われわれがイランのためにできることはある。国際社会の懸念に対処するため、イラン側がわれわれの提案に前向きな反応を示すことを期待している」と述べた。

 同報道官は提案の詳細には触れなかったが、報道によれば6か国側の提案には、イランが濃縮ウランを国外に送るのと引き換えに、医療用アイソトープ(同位元素)を製造する原子炉用の核燃料の供給を受けるという前回の交渉と同様の内容が含まれていたという。

 このほか、イランが航空機部品を入手しやすくすることや、イラン産原油輸送にからむ再保険の提供を禁ずる措置の停止なども含まれていたと報じられている。

 6か国側はこうした経済制裁の緩和と引き換えに、イランに濃縮度20%のウラン製造の停止を求める。一方、イラン側の交渉関係者が匿名を条件に語ったところによれば、同国は「段階的および相互主義の原則に基づく5項目」からなる提案を行った。(c)AFP/Simon Sturdee