【5月23日 AFP】国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)の天野之弥(Yukiya Amano)事務局長は22日、イラン訪問を終えてオーストリアのウィーン(Vienna)に戻り、IAEAとイランは近く同国の核開発問題の解決を目指す合意文書に署名するだろうと述べた。

 訪問中にイラン最高安全保障委員会のサイード・ジャリリ(Saeed Jalili)事務局長と会談した天野氏は、「私とジャリリ氏は構造的アプローチについて合意することを決めた」と述べ、「重要な進展」となる合意文書への署名は、「現時点でかなり近い将来に行われるだろうとは言えるが、それがいつになるのかは言えない」と付け加えた。

 米国はこの合意は「一歩前進」ではあるがイランはその行動で判断されるべきだとして警戒感を示した。ジェイ・カーニー(Jay Carney)米大統領報道官は、このIAEAとイランの合意に「大きな意味があるのは確か」だとしながらも米国はイラン政府の姿勢をその行動を見て判断すると述べた。

 ある外交筋は「これは約束に過ぎない。イランは過去に何度も何度も約束をしてきた」と述べ、イラン政府は23日にイラクのバグダッド(Baghdad)で行われる国連安全保障理事会の5常任理事国(米英仏露中)にドイツを加えた「P5+1」と呼ばれる6か国との協議を前に、協調的な姿勢を示そうとしたのではないかとの見方を示した。

 バグダッドでは砂嵐で空港が閉鎖されるなどの影響が出ており、協議が予定通りに始まり1日で終わるか危ぶまれている。(c)AFP