【5月20日 AFP】4月に自宅軟禁から自力で脱出した中国の盲目の人権活動家、陳光誠(Chen Guangcheng)氏が19日、妻と子ども2人とともに米国に到着し、新生活のスタートを切った。陳氏の出国をめぐっては、1か月におよび米中が駆け引きを続けていた。

陳氏一家は同日午後6時13分(日本時間20日午前8時13分)、米ユナイテッド航空(United Airlines)機でニューヨーク(New York)近郊のニューアーク国際空港(Newark Liberty International Airport)に到着した。


新居となるマンハッタン(Manhattan)のニューヨーク大学(New York University)の宿舎前で通訳を介して記者会見した陳氏は、米国大使館の尽力に感謝を表明するとともに、「中国政府がこの問題を、自制と冷静さとをもって対応したことに満足している」とコメント。中国政府の約束が「誠実」なものであることを信じていると語った。

しかし、陳氏の友人らによれば、陳氏は中国に残してきた親族の安全について非常に心配しているという。

独学で法律を学び、弁護士として活動していた陳氏は、中国当局が「一人っ子政策」の名の下に避妊手術や後期中絶を強要していることを告発し、世界的に有名になった。4年間を刑務所で過ごした後、2010年9月から妻子とともに自宅軟禁下に置かれていたが、今年4月、数十人の監視の目をかいくぐって山東(Shandong)省の自宅からの脱出に成功。一時、在北京米国大使館に保護されていた。(c)AFP/Brigitte Dusseau 

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