【5月8日 AFP】6日のギリシャ総選挙で第1党となり、連立協議を行っていた右派の新民主主義党(ND)のアントニオ・サマラス(Antonis Samaras)党首は7日、組閣を断念したと発表した。

 新民主主義党は、サマラス党首が極右政党「黄金の夜明け(Golden Dawn)」を除く、議会に議席を持つ全政党と連立協議を行うと発表していた。

 新民主主義党と連立政権を組んでいた全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は総選挙後の連立入りに前向きな姿勢を示したが、左派政党の政権参加を条件にした。

 急進左派連合(SYRIZA)や民主左派党(Democratic Left)は連立入りを拒否し、右派新党の「独立ギリシャ人(Independent Greeks)」や共産党はサマラス氏との協議自体を拒否したため、新民主主義党は組閣を断念した。

 これを受け、カルロス・パプリアス(Carolos Papoulias)大統領は8日午後2時(日本時間同日午後8時)、総選挙で第2党になった急進左派連合のアレクシス・ツィプラス(Alexis Tsipras)党首に組閣を要請する。連立協議に与えられる時間は3日間。ツィプラス氏は欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)のギリシャ救済策は「野蛮」だとして、これに反対する左派連立政権の樹立を目指す姿勢を示している。

 ドイツやEUは、ギリシャに救済策の条件を守るよう求めているが、緊縮策に反対している左派政党が連立内閣を組む可能性が出てきた。新政権が5月17日までに発足しなければ、再選挙が行われる。(c)AFP/Simon Sturdee