【4月27日 AFP】中国で自宅軟禁下にあった盲目の人権活動家、陳光誠(Chen Guangcheng)氏が、私服警官らの監視の目をかいくぐり山東(Shandong)省の自宅を脱出した。

 陳氏と緊密に連絡を取っていた米国の人権活動家、ボブ・フー(Bob Fu)氏が27日、AFPに明らかにした。また、陳氏が暗い部屋の中でこの劇的な脱出について語り、温家宝(Wen Jiabao)首相に家族の安全を訴える動画も同日、公開された。動画が撮影された場所は不明。

 フー氏によると陳氏は22日、支援者の助けを借りて軟禁下にあった自宅からの脱出に成功。友人に付き添われ、北京(Beijing)市内の「100%安全な場所」に逃れたという。

 一方、動画の中で陳氏は「わたしは今や自由だが、家族のことが気にかかる。母や妻、わが子はまだ彼ら(当局)の手の内にある」「家族は長年、彼らに痛めつけられてきた。わたしが脱出したことで、家族が気の狂ったような当局の報復に遭う恐れがある。手加減はされないだろう」などと述べ、懸念を表明した。

 陳氏が米国大使館に保護を求めたとの憶測も出ている。フー氏によると、陳氏は脱出前に米議会や米国務省、在北京米国大使館などと連絡を取っており、脱出の手助けを求めたという。AFPは在北京米大使館に電話で問い合わせたが、陳氏の所在や接触の有無についてコメントは得られなかった。

 陳氏は、山東省当局が「一人っ子政策」の名の下に避妊や中絶を強要していると告発して実刑判決を受け、4年間を刑務所で過ごした後、2010年9月に出所。以来、妻子とともに山東省の自宅で軟禁下に置かれていた。(c)AFP

【参考】動画共有サイト「ユーチューブ」に掲載された、陳氏が脱出について語る動画(中国語)

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