【4月27日 AFP】西アフリカ・シエラレオネ内戦の戦争犯罪を裁くシエラレオネ国際戦犯法廷(Special Court for Sierra LeoneSCSL)は26日、ダイヤモンドを受け取った見返りに反政府勢力に武器を提供したなどとして戦争犯罪に問われていたチャールズ・テーラー(Charles Taylor)元リベリア大統領(64)に有罪を言い渡した。国際法廷で現代の元国家元首に有罪判決が下されたのは初めて。

 テーラー元大統領は、鉱物資源に富むシエラレオネの内戦に介入。同国民に対し殺りく、強姦、手足の切断などの残虐行為を行っていた反政府勢力「革命統一戦線(Revolutionary United FrontRUF)」を支援し、見返りにダイヤモンドを受け取っていた。「血のダイヤモンド」と呼ばれた不法採掘によるこれらのダイヤモンドは、マヨネーズの壷に詰められていたという。10年に及んだシエラレオネ内戦では12万人あまりが犠牲になった。

 テーラー元大統領は2006年半ば、身柄をシエラレオネの首都フリータウン(Freetown)からオランダ・ハーグ(Hague)郊外の同法廷施設に移送された。英国のスーパーモデル、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)さんや米女優のミア・ファロー(Mia Farrow)さんも同法廷の証言台に立った。

 量刑は5月30日に言い渡される。シエラレオネ国際戦犯法廷は、量刑は「犯した罪の深刻さに応じて」決定すると発表している。元大統領は英国の刑務所で服役する。

 テーラー元大統領以前に国際法廷で裁かれた国家元首は、第2次世界大戦(World War II)末期にアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)から後継者に指名され短期間、ナチス・ドイツを率いたカール・デーニッツ(Karl Doenitz)にまでさかのぼる。デーニッツは戦後のニュルンベルク(Nueremberg)裁判で有罪判決を受けた。(c)AFP

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