【4月21日 AFP】ペルシャ湾の島国バーレーンで20日、自動車F1レース、12F1第4戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2012)の開催に抗議して反政府側が行ったデモと治安部隊が衝突し、イスラム教シーア派(Shiite)の複数の居住区で負傷者が出た。当局はこの日実施されるフリー走行1回目を控え、警備を強化していた。決勝は22日に行われる予定。

 バーレーンの人権団体「バーレーン人権のための青年協会(Bahrain Youth Society for Human Rights)の代表、モハメド・マスカチ(Mohammed Maskati)氏はAFPの取材に対し、シーア派居住区で抗議運動が夜通し行われ、治安部隊による発砲や催涙ガス発射で18人が負傷したと話した。

 同代表は、抗議行動はバーレーンでの人権侵害にF1レース参加者の注意を引くためのメッセージだと説明。4月14日以降、抗議に参加した95人が拘束されていると述べた。
 
 フリー走行は日本時間16時にサキール・バーレーン・インターナショナル・ サーキット(Sakhir Bahrain International Circuit)で開始された。目撃者によると、抗議の参加者らはタイヤを燃やしたり、会場に続く主要道路を一時封鎖するなどした。

 また当局に投獄され、獄中でハンガーストライキを続けているバーレーンの人権活動家、アブドゥルハディ・カワジャ(Abdulhadi al-Khawaja)氏の写真を多数の参加者が掲げながら「われわれは政権打倒を望んでいる」と叫んだ。バーレーン国王の名前を挙げ、「ハマドを倒せ」と叫ぶ声も聞かれた。(c)AFP