【4月12日 AFP】中国とフィリピンの船舶が互いに領有権を争う南シナ海(South China Sea)で対峙(たいじ)する事態が続いていたが、フィリピンが12日に艦船を引き上げ、5日間にわたったにらみ合いは収束した。フィリピンのアルバート・デルロサリオ(Albert del Rosario)外相が同日、艦船を引き上げたことを明らかにした。同海域をめぐる領有権の外交交渉は続けていくという。

 にらみ合いは8日、フィリピンのルソン(Luzon)島から124海里沖にあるスカボロー礁で操業していた中国の漁船8隻をフィリピン海洋当局が発見したことから始まった。

 フィリピン側は、現場海域はフィリピン本土から200海里内にあり、国際法で定められた排他的経済水域(EEZ)内にあたるため、中国漁船の操業は違法だと非難した。これに対し、中国側は南シナ海は全域が中国の領有範囲だと主張し、他国の沿岸であっても中国漁船の操業は違法ではないと反論している。

 フィリピン海軍は最新鋭の艦船を現場に派遣し、中国人船員らの逮捕を試みたが、中国も10日になって監視船2隻を派遣し、フィリピン艦船による漁船への接近を阻止。フィリピン艦船と中国の監視船がたがいににらみ合い、両国政府が互いを非難しあう事態が続いていた。(c)AFP/Jason Gutierrez

【図解】南シナ海の領有権問題