【4月11日 AFP】ともに南シナ海(South China Sea)の南沙諸島(Spratly Islands)の領有権を主張しているフィリピンとベトナムの軍が、兵士が参加する親善競技大会を計画している。フィリピン海軍のアレクサンダー・パマ(Alexander Pama)司令官(中将)が10日明らかにした。

 中国も領有権を主張している南沙諸島は、アジアで最も紛争発生の恐れが高い地域の一つとされている。パマ司令官は、「ベトナム軍が駐屯している島にうちの兵士が行き、あちらの兵士はフィリピンが駐屯している島に来る」と報道陣に語った。「バスケットボールやサッカーの試合をやる。武器(を使った訓練)は一切なしだ」

 この親善競技大会は、ベトナムのチュオン・タン・サン(Truong Tan Sang)国家主席が前年10月にフィリピンを訪問した際、随行したベトナム海軍司令官との間で合意された事項の一部で、親善競技大会の他に気象情報の共有や同海域で遭難した漁民などの捜索・救難活動の連携強化を進めていくという。

 南沙諸島の領有権を主張する他の国々も競技大会に招待するのかという質問に対しパマ司令官は、「そのような話し合いはされていない」と答えた。(c)AFP