【4月2日 AFP】(一部更新、写真追加)ミャンマーの最大野党だった国民民主連盟(National League for DemocracyNLD)は1日、独自の調査に基づき、同日投票が行われた連邦議会補欠選挙で同党の党首アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さん(66)が当選したと発表した。

 NLDの推計によると、スー・チーさんは立候補したカウムー(Kawhmu)選挙区で99%の票を獲得したという。同選挙区はミャンマー最大の都市ヤンゴン(Yangon)から車で2時間ほどの離れた場所にある。正式な選挙結果は1週間以内に発表されるとみられている。

 NLDは1日の補選で争われた45議席のうち44議席を獲得する見通しであることも発表したが、軍の支持を受けている与党が議会で大半の議席を占める状況は変わらない。

 シリア問題の協議のためトルコ・イスタンブール(Istanbul)を訪れていたヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は、「選挙結果はまだ発表されていないが、米国は選挙に参加した方々に祝意を表します。初めて選挙に参加した人も多いはずです」と述べ、ミャンマーの改革を米政府として支援する姿勢を示した。

 専門家の間では、ミャンマー政府はスー・チーさんに議席を取らせて政府が進める改革への信認を増し、西側諸国の制裁のスムーズな緩和につなげたい意図があるとみられている。欧州連合(EU)の選挙監視団の一員は、実際に訪問した10あまりの投票所では非常によい印象を受けたものの、それだけでは選挙全体の信頼性を判断するには不十分だと述べた。

 NLDも、同党へのチェックマークを記入する欄にろうが塗られ、後でこすって消せるようになっていた投票用紙が全国の広い範囲で見つかったとして選挙管理委員会に文書で苦情を申し立てた。この問題がどの程度広く起きていたのかは現時点では分かっていない。

 NLDは、補選の選挙運動期間中に候補者が脅迫されるなどの問題があったと主張しており、スー・チーさんも「完全に自由で校正な選挙とはいえない」、と語っていた。(c)AFP/Hla Hla Htay