【3月26日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は25日、国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)のシリア特使であるコフィ・アナン(Kofi Annan)前国連事務総長の提案はシリアにとって内戦回避のための最後のチャンスだと警告し、ロシアはアナン特使に全面的に協力すると表明した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領はシリアの反体制派に対し通信機器や医療用品など、政府軍の要員を直接殺傷しないような物資を送る計画を発表。その数時間後にメドベージェフ大統領は、伝統的にロシアの友好国であるシリアに向けて厳しいメッセージを発した。

 シリア政府軍は25日も反体制派の拠点への攻撃を続行。活動家らによると、少なくとも民間人18人を含む数十人が死亡した。

 西側諸国とアラブ諸国はロシアに対し、シリアへの圧力強化で協調し、同国のバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権への武器の提供を停止するよう要請してきた。ロシアはこれまでに2度、国連安保理のシリア非難決議案の採決で拒否権を発動したが、安保理が21日に採択したアナン氏を全面支援する内容の拘束力のない議長声明には賛成した。ただ、アサド政権が安保理の要求を順守しない場合、踏み込んだ措置が取られる可能性を示唆する文言が含まれないことを条件とした。(c)AFP/Dmitry Zaks