【3月16日 AFP】中国共産党中央委員会は15日、次期最高指導部入りが有力視されていた重慶(Chongqing)市共産党委員会の薄熙来(Bo Xilai)書記(62)を解任した。

 温家宝(Wen Jiabao)首相が国内政治改革の必要性を強く訴えた翌日に起こった異例とも言える解任劇は、党指導部の交代をめぐる党内対立を示唆するものとなった。

 国務院商務部長を務めた経験も持つ薄氏は、年内に中国共産党の最高指導部である中央政治局常務委員会入りすることが確実と見られていた。だが、簿氏の腹心として重慶市の汚職追放に関わった同市前公安局長の王立軍(Wang Lijun)副市長が前月、亡命を求めて米総領事館に駆け込んだとされる事件を受け、簿氏の前途は不透明になっていた。

 アナリストらは、薄氏は3000万人の人口を持つ重慶市で大規模な汚職追放政策を展開したことで、反保守派を敵に回したと指摘している。さらに、公務員を農村地域に派遣したり、公営農場での革命歌や愛国的テレビ番組を奨励するなど、毛沢東主義復活運動も反感を買っていた。

 一方、王副市長は現在、当局の取り調べを受けている。(c)AFP/Claire Cozens

【関連記事】中国で権力闘争ぼっ発か、重慶市トップ側近に「亡命失敗」説