【3月8日 AFP】英シンクタンク、国際戦略研究所(International Institute for Strategic StudiesIISS)は、7日に発表した年次報告書「ミリタリー・バランス(Military Balance)」2012年版の中で、アジアの軍事費が今年初めて欧州を超える見通しであることを明らかにした。

 報告書の発刊に際して行われた記者会見で、IISSのジョン・チップマン(John Chipman)所長は、世界の経済力の変化が軍事費にも反映されるようになっていると指摘。「国民1人当たりの軍事支出はまだ、アジアよりも欧州の方が格段に大きい。だが、現在の傾向がこのまま続けば、アジアの軍事費は額面上、2012年のうちに欧州を抜くだろう」と語った。

 報告書によると、アジアで最も軍事費拡大が顕著なのが中国だ。急速な経済成長に支えられ、部隊や軍備の最新鋭化を進めている。

 これに対し、経済危機に見舞われた欧州各国は、軒並み軍事費を削減しており、軍事費で欧州トップの英国は30%も削減する計画だ。(c)AFP