【2月16日 AFP】(写真追加、一部更新)北朝鮮は16日、故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の生誕70年を迎え、平壌(Pyongyang)の錦繍山記念宮殿(Kumsusan Memorial Palace)広場で軍事パレードを行った。また、国営テレビによれば錦繍山記念宮殿の名称を「錦繍山太陽宮殿(Kumsusan Palace of the Sun)」に改称した。

 国営テレビでは、金総書記の業績をたたえる番組を放映しており、声を震わせたアナウンサーが「今は亡き将軍様」が地方の村々や農場、工場を視察する過去の映像を紹介。「将軍様は、お忙しい時間を割いて恐れ多くも私の娘の家を訪ね、この年老いた農民の悩みを聞いて下さった。この世に将軍様ほど偉大な指導者は、他にいません」と語る高齢女性の話を伝えた。

 1948年の建国から北朝鮮を統治する金一族の神格化は、前年12月17日に金総書記が69歳で死去した後、一層拍車がかかっている。北朝鮮情勢の専門家らは、まだ若く経験に乏しい金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)党中央軍事委副委員長が新指導者となったことを、正当化する目的があるとみている。

 正恩氏は前日の15日、平壌で開かれた中央報告大会で議長を務め、金永南(キム・ヨンナム、Kim Yong-Nam)最高人民会議常任委員長が「命をかけて正恩氏を守り、正恩氏を中心に皆が団結し、北朝鮮の軍事と経済発展に尽くそう」と演説した。
 
 一方、金総書記には15日までに北朝鮮で最高位の称号「大元帥」が授与された他、平壌の万寿台(マンスデ)創作社では同日、故金総書記の生誕70年を記念し、馬に乗った金総書記と父親の故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席の銅像の除幕式が行われた。

 生誕70年にちなんだ記念切手や金貨と銀貨も発売されている。平壌では16日、金総書記をしのぶイベントや、同総書記にちなんだ「金正日花(Kimjongilia)」祭りなど、さまざまな記念行事が開催されている。(c)AFP/Simon Martin

【動画】軍事パレードの様子(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)