【2月8日 AFP】バラク・オバマ（Barack Obama）米大統領は7日、自国軍最高司令官のための「武器」試作品の試し撃ちを行った――高出力を誇るこの試作品は、命中すると美味しいマシュマロ砲だ。

　オバマ大統領によるマシュマロ砲の試し撃ちは、ホワイトハウス（White House）で行われた、学生たちによる科学展での1コマ。大統領が尊敬する第16代米大統領エーブラハム・リンカーン（Abraham Lincoln）の肖像画が見守る部屋で、多くの発明品が展示された。

　高齢者がインターネット回線を利用し、遠くの親族などと通話を楽しむ目的で作られたロボット「スカイプ・オン・ホイール」を楽しそうに観察したオバマ大統領。ゴミの削減が期待出来る包装ごと溶けるコーヒー用の砂糖など、数々の作品が展示されたが、中でも大統領が注目したのがマシュマロ砲だ。

　オバマ大統領は、「シークレットサービスに怒られてしまうね」と話しながら、自転車用空気入れのハンドルを操作し、14歳の少年ジョー・ハディー君が作ったマシュマロ砲に空気を圧縮させた。

　発射されたマシュマロは、口をあんぐりと開けるオバマ大統領が見守る中、レッドルームと呼ばれる応接室の入り口付近の壁に着弾。この応接室には、希少価値の高い19世紀に作られたフランス製家具が多数置かれている。

　この楽しい科学展には、一方で大切な目的もある。来週、予算教書の議会への提出を控えるオバマ大統領は、そこで革新、科学、教育の重要性を掲げるからだ。

　オバマ大統領は、共和党による予算削減案では、競争力をもつ21世紀型経済を構築するために必要な、新しい世代の科学者や明確なビジョンを持った人間を育てるための政府予算が削られてしまうと述べている。

「今日会った若者たちに刺激された。君たちのような若者の存在が、米国の未来がまだまだ明るいものであるとの自信につながります。勉学に励み、数学や科学に取り組むことは、賞を目的とする物ではない。君たちは米国の未来を勝利へと導くのです」

　議会への提出が予定されている予算教書についてオバマ大統領は、数学および科学の教師増員、さらには今後10年間にわたり科学、技術、工学及び数学を専攻・卒業する人数を100万人増加させる計画も含まれると述べた。(c)AFP